今年は何度も雨となっていますが、意外と縦溝ができてません。これは3月7日に降った雨でできた縦溝です。それほど深くはありません。その後の降雪できれいに覆われました。
 今年は3月5日が啓蟄でした。啓蟄とは「冬ごもりの虫が這い出るころという意」。まさにその直後の8日に、クモがあらわれました。まだ動きが鈍く、指で突いてもヨタヨタ歩いてました。おそらくもう一度寝なおすことでしょう。
 何度もお伝えしているように今年は雪が少ないです。どれぐらい少ないかというと、この写真をご覧ください。中央下に見える赤布が今年のもの。そして、中央上や右上に見えるやや白くなった赤布が以前つけたもの。この写真で見ると雪面から約5mぐらいのところにあります。ということは、多い年より約4m程少ないという事です。すべての場所でこれが当てはまるわけではありませんが、こういう場所もあるいう事です。
 「ライチョウは冬に何を食べてるのですか?」よく聞かれる質問です。本当に心配になりますよね。一面の銀世界ですから。夏は高山植物の花や実などを食べてますが、冬はそんなものありません。冬でもあるものと言えば、写真に写っているような樹木です。その中でもダケカンバの冬芽を主に食べているようです。写真のライチョウの頭の上にダケカンバの枝が伸びていますが、これをついばみます。ちょっと高くて届かないときはジャンプします。昔の運動会でよくあった「パン食い競争」の要領です。小さな冬芽ですが栄養が詰まっているんでしょうね。
上の写真のひょろっとしたのもダケカンバなら、この写真の幹もダケカンバです。幹回りおよそ2m、木霊が宿っていてもおかしくないような風格のある、まさに大木です。風雪に耐え幾星霜、まだまだ現役です。天に向かって伸ばしているこの枝ぶり。この粘り強さが大好きです。
            冬場は週に一回、生鮮食料を荷揚げしています。いわゆるボッカです。他人にお願いするのではなく、自分自身でやってます。私の場合はスキーを使って歩いてきます。1週間分の宿泊人数によって、必要な量も変わってきますが、3月は気候も良くなりお客さんも増える時期。その分私のボッカ量も増えるという事です。でもこれが遣り甲斐があるんですね。お客さんの「美味い!」の声を聞きたいがために、また今週もがんばります。ようやく山荘に着いた時の自撮り写真です。

-弥生 March-